ムビラの歴史は、ショナ族の原型ができたグレート・ジンバブエの時代から始まる。グレート・ジンバブエとは、14世紀ごろ南部アフリカに登場した国王が作った石群遺跡である。この時代にスピリット(精霊)が降りて、ショナの人々にムビラという楽器の作り方や楽曲を伝授したという。
ショナ族の原点・グレート・ジンバブエ遺跡の絵は、ジンバブエドル紙幣に印刷されているムビラの楽曲は数多くあるが、そのほとんどがこの500年の時の流れを経て伝えられてきたものである。重要なのは、ムビラの楽曲とは新しく作曲されて増えていくものではなく、原初からあった曲が現代にまでムビラ奏者たちの手から手へと伝道され続けてきたということ。有名な「カリガモンベ」「ネマムササ」「タイレワ」「マオロロ」といった楽曲もすべてそうである。新曲は生まれないが、ある曲を展開させた別のステージというものがどの楽曲にもあり、原曲といくつかのステージをつなぎ合わせてループさせるといった演奏の広がりがある。
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