アフリカ・ジンバブエに住むショナ族古来の民族楽器、ムビラ(Mbira)。祭礼や儀式の時に先祖の霊やスピリット(精霊)との交信をするために演奏されてきた神聖な役割を持つ楽器で、オルゴールの原型となった楽器である。

構造は、鉄の棒をハンマーで叩いて作った平らなキーを、木の板にワイヤーやボルトで締め付けて装着したもの。右の写真のように、両手の親指(一部右手の人差し指も)を使ってキーをはじいて弾く。

日本では、このような形状を持つ楽器は一様に「親指ピアノ」または「カリンバ」と総称されているが、本場アフリカでは国や地域によって楽器が異なり、それぞれ固有の名称を持っている。たとえば、中央アフリカやコンゴでは「サンザ」、タンザニアでは「カリンバ」という楽器があり、ジンバブエでは上の写真の「ムビラ(mbira dzavadzimu)」となる。

ムビラの音色はとても美しく涼やかで心地よい一方、微妙な絡まりの変化と反復するビートの高まりによって次第に内から熱くなってくる高揚感を味わえる。演奏は2台のムビラでのセッションが基本となり、1台の演奏からは想像もつかないほど複雑な音の織りなしが生まれる。

ムビラの大きな特徴、板の下部に数個のボトルキャップが取り付けられていること。ボトルキャップの中央に穴を空け、アルミの板にくくりつける。これによって、キーを弾いたときに「ジージー」というムビラ独特の響きが加わり、美しいだけの音色にノイズというスパイスがかかる。このジージー音には、奏者をトランス状態に入りやすくさせ、スピリットが降りやすくなるという効果がある。


ボトルキャップの代わりに、しばしばバーや貝殻を取り付けることもある。
バーは、いくつかの筒状の金属をワイヤーに通して板に取り付ける。



       
貝殻を使用したムビラ。好みにもよるが綺麗なジージー音が鳴る。
古くはこの貝殻が多く使用されていたそう。


   

 

 

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