ムビラは本来、儀式や祭事の際にスピリチュアルな音楽として演奏されてきたもの。現代でもこの伝統は受け継がれており、結婚式や葬式、収穫や新築のお祝い事などではムビラ奏者が呼ばれる。ショナの人々の宗教概念では、日本と同様、祖先を敬い、拝む。沖縄の人々が「あんがま」の時に三味線を使って祖先の霊と会話をするのと同じように、ジンバブエでも儀式の際にしばしばムビラ演奏によってスピリット(精霊)が降臨し、交霊が行われる場合がある。
現代においては、若い世代が外来音楽とムビラを結びつけて融合させ、新世代のムビラポップミュージックなるものを創作している。こうした音楽は、若い人々が音楽を通してジンバブエの伝統に接する機会ができて喜ばしい、という考えがある一方、伝統を重んじる古くからのムビラアーチストたちは「あれはムビラではない」という否定的な見方をしている場合もあり、賛否両論である。
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