Mawungira Enharira

2005年12月初めにテレビや新聞を通じて、ムビラ・ゼナリラの分裂が報道された。分裂は金銭的なトラブルが原因で、グループにはリーダーのテンダイとオショのプレシャスしか残っておらず、他の5人のメンバーは新しいグループ「マオンギラ・エナリラ」に移った。 この分裂劇は音楽関係者のみならず大統領までがコメントを表明する異例の事態となった。ムビラ・ゼナリラは2004年の10月に国の文化親善大使として中国で公演を行った後、2005年に南アフリカ、マラウィと精力的に海外公演を行い、2006年のヨーロッパツアーも決まりかけていた矢先のことであった。今回はその分裂してできた「マオンギラ・エナリラ」の新しいリーダーであるヤマシーシャと看板ダンサーのトンデに緊急インタビューを行ない、現在のジンバブエの状況、今後の活動について語っていただいた。

        
© Loebbe Gahamadze 新リーダーのヤマシーシャ  

■まずは、デビュー・アルバムのリリース、おめでとうございます。
Nyamasvisva(以下N):ああ、どうもありがとう。
■今回は新しいアルバムや今後のことなどをお聞きしたいと思うのですが、まず、マオンギラ・エナリラの名前の由来から。
:マオンギラはコダマ。エナリラはナリラ山。つまり、ナリラ山からのコダマという意味になるね。
■2週間前に私はナリラ山のセクロ・ムショーレの場所を訪ねたのですが、あそこはとてもよかったです。野外ですが、何か仏堂や教会の雰囲気で、精神的な静けさを感じました。彼は確か、ジンバブエの三大スピリット・ミディアム(予言者)のうちのお一人ですよね。
:そうだね。彼はすごく大きなスピリットを持っているけど、とても友好的で親しみやすいね。とてもいい人だ。

■ところで、バンド構成なのですが、今回のグループは正式には何名なのですか?
:構成はムビラ・ゼナリラの時と一緒で、ムビラ4人、オショ1人、太鼓1人、ダンサー1人の全7名かな。ムビラのチューニングも変わっていないし。
■今回のグループでリード・ムビラは誰が担当ですか?
:マイカだよ。ムビラ・ゼナリラの時と同じだ。
■ゼナリラの時もマイカがリードだったんですか?私はテンダイだと思っていました。
:違うよ。どの曲もマイカのネケト・ムビラ(高音ムビラ)のリードだよ。

■ああ、確かにそうですね。でも彼はムビラ・ゼナリラの正式なメンバーではなかったですよね?毎回、ゲスト・ミュージシャンだったような…
:その辺りも問題だった。彼のリードがなかったらムビラ・ゼナリラの音楽は成り立たないだろう?なのに、長い間ずっと、彼はゲスト・ミュージシャンとしてプレイしてきたんだ。
■ところで、新しいアルバムのことをお聞きしたいのですが、レコーディングはどこで行われたのですか?。
:ノートンにあるスタジオだよ。
■将来的に野外でのレコーディングなんかはやらないのですか?ナリラ山なんかだと絶好の場所だと思うんですが。私はゼナリラのファースト・アルバムが好きなんですよ。録音はラフですが、ムビラのグルーブ感がよく出ていると思います。
:そうだね。それなりの機材がそろっていたら、また是非やりたいね。

■あと、デゼを使ったほうが雰囲気が出ますよね。
:それは絶対。デゼをはずしたムビラ単体の音だけだと、キーとキーの音のぶつかり合いだけど、デゼはその音どうしを一つのウェーブ(音波)にするんだ。そして、複数のムビラを弾くことによって、それぞれのムビラのウェーブどうしが会話をしあう。デゼは音を大きくするだけでなく、音をスムーズにミックスしあう為にはとても重要なものなんだ。つまり、デゼによってムビラの音はプロデュースされるんだ。
■なるほど。でも、まだ日本ではデゼを使う人が少ないですね。一人で弾く時はまだいいでしょうけど、合奏の時は必要ということですね。
:少しスピリットの話になるけど、そのウェーブの中でスピリットはぶつかり合うんだ。なぜなら、一つのスピリッツに集約されなければならない。それらは私たちを導くものだし、私たちの生きていく場所を決定するんだ。そして、それらは一つのものになるために無防御でやってくるが、それらが来ることによって、私たちの精神は解放され一つのものを知るんだ。それらは全て私たちの代理であるし、媒介をしているものなんだよ。

■話は変わりますが、今、あなたは第2婦人を求めているそうですね。
:どこで聞いたの?そんなこと(笑)。
■いえ、ある友人からですが(笑)
:娶るのなら、3人でも4人でも娶りたいよ。私の叔父は5人の奥さんがいたし。

(ここで、トンデが登場。ヤマシーシャは用事ができて、急遽、交代となるハプニング)

        
看板ダンサーのトンデ  

■こんにちは。この間はどうもありがとうございました。
Tonde(以下T):この間は楽しかったね。
■セクロ・ムショーレの所は最高でしたよ。ところで今、ヤマシーシャさんに第二婦人のことを聞きかけたのですが、あなたも第二婦人を求めますか?
:いや、僕は大丈夫(笑)。
■少し、ジンバブエでのいわゆる結婚制度を文化的な背景を踏まえた上でお聞きしたいと思います。いわゆる先進国といわれている私たちの世界では一夫多妻制は法的に禁止されているわけですが、アフリカのほとんどの国ではそのような法律が存在しませんよね。
:そうだね。なぜなら古くからの文化だし、生活習慣だからだよ。我々の御先祖はそうやって生き延びて、子孫を残してきた。そして、その方法は部族の長によって始められた。例えば、長が亡くなった時にはその息子たちによって、その妻たちを娶る事もあった。今でもそうだけど、例えば僕が結婚していて、僕のお兄さんが亡くなるとするだろう?そうなった場合、僕はその兄嫁と結婚することもあるんだ。そうすれば子供たちも我が子のように養っていける。それがショナ族(ジンバブエ)の文化なんだ。また、僕が結婚していてその妻が亡くなったときはその妻の家系から新しく嫁をもらう事もめずらしくない。このように多妻を持つ男をショナでは「チャパレ」と呼び、その第一婦人を「ラオス」、第二婦人を「ジャヌ」、最後の婦人を「ニャチテ」と呼ぶんだよ。そして、その間に他の婦人がいても、それぞれに名前を持っていて、それぞれの役割がある。その中で彼らは共存していくんだ。

■うーん、でも、やはり奥さん同士で問題がありそうじゃないですか。女の人は嫉妬心が強いし。
:まず、君が第二婦人を娶るとするだろう?その時には必ず、ご先祖がこれまでやってきた方法論や文化背景などを確実に第一婦人に伝えて、理解してもらわないといけない。ただ単に第二婦人を娶るだけじゃだめなんだ。あと、何かあった時、彼女たちの相談役になることも大事だ。

■一人の女性を娶ることも大変なのに、何人もはすごく大変そうですね…。
:だから、夫には強いリーダーシップが必要だ。統制が取れれば、妻たちも尊敬しあうし、夫のことも尊敬するようになる。
■去年、私の友人が交通事故で亡くなったのですが、よくよく原因を聞いてみると家庭不和が原因だったようで、亡くなった直接の原因は事故になっていますが、どうも義理のお母さんが黒魔術を使ったみたいなんですよ。。
:ジンバブエではよくあることだね。

■そうなんですか!?友人は二人の奥さんがいたんですが、二人は姉妹で同じ母親なんですよ。その母親はラスタ(レゲエ、ドレッド・ロック)の人達をすごく嫌っていて、私の友人は筋金入りのラスタだったので、別れさせようと呪いをかけていたみたいです。まあ、この場合、奥さんたちの嫉妬というより、母親なんですけど。それでも、この話を聞いたときには怖かったですね。友人もそのことに感づいていたようで、ムビラを習ったり、霊媒師の所に行って、相談をしていたみたいですが…
:彼は一時的な防御だけで、永続的な防御をしてなかったんじゃないかな。本来、伝統的な方法だと、皮膚を切って、そこから薬草をつけ、血液を通して霊気を体の中に入れ、防御をするんだ。まあ、いずれにしても、嫉妬は怖いものだ。それが元で、人は人を殺したり、呪いの薬を作ったりする魔術を習っていく。

        
 

■まだ、そのあたりの風習や文化が残っているのがアフリカらしいですね。
:とにかく、会話をし合うことだよ。家族で。例えば、さっきの話の第二婦人を迎える時もまず、ディナーに呼んで、第一婦人と話をする。最初にそういう機会を設けて、徐々に本音で会話が出来る場を作っていく。本音を隠すから、嫉妬が出てくるんだ。そして、それが怖いことになる。
■話は変わりますが、今回、ムビラ・ゼナリラの分裂の原因には金銭的な問題が関係していますよね。
:お金は怖い。僕達の20年間続いた関係を一瞬で切り離した。とにかく、今の時代はお金が支配しすぎている。それがゆえに文化活動より経済活動のほうが大事だという人は多いだろう。本来、金は結果であって目的ではない。お金は私達の文化的な営みを助けるものであって、支配するものではない。お金を追い過ぎて、自分達の文化的なアイデンティティを喪失している人たちは多いんじゃないのかな。
■そうですね、日本でも、お金が人の周りを回っているのか、人がお金の周りを回っているのかよく分からなくなってきています。人々はお金のことを解っているようで、解っていない感じです。

:人間は獲物を狩って生きているうちにアイデンティティを追求しなくなり、そこから逃げ出した。今では金を追っているだけだ。しかも、どれもこれもお金が複雑にしてしまって、自分たちで何をしているのか判らなくなってきている。お金を得れば、自由に行きたい所にいけるし、やりたい事も出来る。でも、そうしているうちに、自分にとって大事なことを言ってくれる人や親や友達のことも忘れてしまう。お金さえ持っていれば、なんでも自分で出来るような錯覚に陥ってしまう。そして、知恵者の忠告も聞かなくなり、生きて行く上での大事な生活の知識を失うんだ。あげくの果て、自分たちの文化にも興味がなくなり、外からの刺激的なものに操られる。
さらに、お金のことばかり考えるようになると、文化的な活動の意味すら解らなくなる。そして、最終的にお金はスピリットを追い払う。これはどういう事かと言うと、もし君が物欲主義的な文明に触れると、スピリットは少しだけ君の反応を見る為に、どこかに隠れてしまうんだ。そして、ある日、君は君自身に何が起こったか思い出そうとする。そして、解らなくて慌てる。なぜなら、彼らは供給者でこの世と君を媒介しているものだからなんだ。もし君がスピリットを失っているとすれば、それはお金だ。でも、たまにスピリットは君にヒントをくれる。その時に本当の心を思い出さなければいけない。そのチャンスを活かさないでいると、心はスピリットから離れていき、君は永遠の迷子になってしまう。それはスピリットに背いている事になるんだ。

お金とスピリットは相反するもので、いつも、彼らは戦っている。彼らは敵同士なんだ。もし、君がお金を得たときは周りの人、ご先祖に感謝することや、自身の正しい道筋に使わなければいけない。正しい道筋とは本当の自分自身を誤魔化さない道筋だ。そうすれば、自分の生き方や自分たちの民族の行く先も良い方向に向かっていく。そして、少しのお金でこういう生活ができるようになると、やがて、人々は協力し合い、強い心で結ばれる。同じ言葉を話し、同じ価値観の元で生きられる。しかし、人間は自分のお金を持ちすぎると、気持ちがバラバラになってしまって協力し合わなくなってくるんだ。

■戦後の日本の流れがそうでしたね。
:例えば、お金を持たないで生きている人達がいるとするよね。彼らは自分の文化や御先祖から継承してきた生き方に誇りを持っている。だから、こういった金の支配力が強い時代が過ぎ去った時でも生き残っていけるんだ。
■そうですね。私の友人で、ムレワの田舎に住んでいるムビラメーカーがいるんですが、彼がまさにそういう生き方をしています。ここ数年のジンバブエは経済的にも政治的にもひどい状況ですが、彼に及ぼす影響は皆無です。逆に去年、政府の方針による豊饒な土地(かつての白人支配の土地)の開放で、彼はマゾエ地域に土地を見つけ、再び開墾して、いい条件で農業を行っています。ジンバブエの外の国にいるとネガティブな報道しか流れませんが、あながち、そればかりではなく、政府は国民に土地回帰を示唆しているようにも見えます。
:そういう生き方をしていると、お金はすごく重要ではないことに気づいてくる。そして、それがいわゆる原宗教なんだ。我々の御先祖とは我々の宗教なんだ。他民族が一つの場所で遭遇して、一つの価値観を持ち、文化を作り出す。それが宗教なんだ。創造主は全ての民族を創り出したから、みな平等なはずだ。しかし、お金によって差別化された。そして、お金のないものは権力者によって奴隷にされ、機械や道具のように使われる。金を持っていたら何でもできる。戦争においては人殺しだってできる。これは悪魔で破壊者だ。しかし、なぜお金ができたのかわかる?

■権力者の支配の為ですか?
:その通り!そして、金は何もかも支配するために甘い呪いをくれるわけさ。その後は言いたいことを言えるし、やりたいことも出来る。そして、お金は人を狂わしてしまう。政治が間違っていて、ノーとは言えないのも、金に飼い慣らされてしまっているからなんだ。しかし僕たちは音楽をやって、文化を創っていかなければならない。そもそも、文化はお金の前に来るべきで、お金が文化の前に来るべきではない。お金は文化活動を支えるべきものなんだ。事実を取り違えてはいけない。
■そうですね。でも、今の世界はまず、経済活動が主で文化活動は二の次という感じがします。お金がないと何も出来ないという概念が普通になっていますね。

                 
 

:それはお金によって文化が追いやられているからだよ。例えば、子供たちは田舎を知らずに都会で育って、映画やプールや娯楽施設に慣らされる。それ自体は別に悪いことではないが、自分たちの本来の文化を知らずに育ってしまうことが問題だ。

■でも、今、都会に住んでいる多くの若者があなたたちの音楽に共感して、ライブに足を運んだり、CDを買ったりしていますよね。。
:そう、今、音楽文化が本来のジンバブエの文化を伝道しているんだ。今では都会の家のセレモニーに呼ばれることも、よくあることだ。相変わらず、お金儲けが先で文化活動は後だけど、でも、彼らはそのお金で自分たちの文化を取り戻そうとしている。確実に彼らは自分たちの文化に回帰してきている。
この間、ライブに来ていた若者にトーテム(家紋)を聞いたら、彼は自分のトーテム知らなかったんだ。だから僕は「家に帰って、親父に聞いてみろ!」って彼に言ったんだ。すると、一週間後、僕のところに来て「僕はシュンバ(ライオン)だったよ」って言っていた(笑)。自分のルーツを知るのは大事なことだ。なぜなら文化はその上に成り立っているからなんだ。

■アポストリックやカソリックの人たちについてはどう思いますか?
:彼らは少し直線的過ぎるね。何かにまっしぐらだ。キリスト教の人達は自分たちのトーテムも気にしないし、伝統的な儀式も拒否する。でも彼らはこの伝統的な文化の上に生活をしているんだ。なぜなら、どこの家庭でも使っている木の皿があるだろう?キリスト教の人達も使っているよ。彼らは自国の文化を否定するけど、その木の皿自体が文化だろう?自分たちの主義思想ばかり追って、彼らはその背後にあるものを見ようとしない。
■そうですね。現代宗教は洗脳の度合いが強いですね。でも、先日、私の家主が原因不明の病気で倒れたんですが、病院にいっても原因がわからず、最終的にアポストリックの弟の友人の透視ができる人に診てもらって、原因がわかりました。毎晩一週間、その家で彼らの呪文を聞いていたのですが、その呪文のあわせ方がムビラの音の合わせ方と一緒で驚きました。ぶくぶくと泡が無限に膨れて増えていく感じですね。この時はショナの文化の深さを思い知りました。ジンバブエに限らず、アフリカの人達の耳の才能はすごいと思います。
:そう?ありがとう(笑)。アポストリックはキリスト教とジンバブエの伝統宗教が合体してできたものだけど、その透視をした人はスピリット・ミディアムの子孫だ。彼らも伝統的な薬草を使うし、伝統的な衣服を身に着けているが、アポストリックに属するんだ。

■最近、私はハラレの公園でよくムビラを弾いているのですが、キリスト教の人達も興味を持って、いろいろ聞いてきます。最近では教会でムビラを弾くことにも抵抗はないみたいですね。
:そうだね。いくつかの教会では弾かれているみたいだ。でも深い曲はやらないよ。あくまでもゴスペルの後ろでさりげなく鳴っている感じだね。彼らもゴマ(ジンバブエの太鼓)やムビラを使って御先祖と話ができるのを知っているんだよ。
■あなたたちのこのデビューアルバムはしっかりしたムビラ・オーケストラにそのゴスペル調なコーラスワークが乗って、今のジンバブエの時代の音という感じがします。
:そう?ありがとう。
■私の家主は昔、アポストリックだったんですが、かのシンボティに知り合ってから、ムビラを習うようになり、伝統に回帰しました。
:アポストリックの人達の中でもドレッド・ロックの髪型だったり、アポストリックのように白色の布だけでなく、黄色や赤色や緑色の布をまとっている人達もいるよ。
        
  ■先日、セクロ・ムショーレの場所に行った時に彼はジンバブエに埋まってある石油や資源の在り処を知っていると言っていましたが、なぜ政府の関係者には教えないのですか?
:なぜなら、まず、政府が文化的に原点回帰することが重要と考えているからだ。それから、その後の見返りに15匹の牝牛と3匹の山羊、3本の実のなる樹木を用意することを言っていたね。でも、今の政府の間違ったやり方のままでは彼はどうすることもできないんだよ。
■でも、昨年から今年の初めに雨が多かったのは大統領が各県知事にムビラを渡して、一斉に儀式を行なったせいだと言われていますが、政府も少しずつ徐々に原点回帰はしてきているのではないでしょうか?
:そうだね。少しずつだが回帰してきている。でも、まだまだ、生活の環境が悪すぎる。
■そうですね。私の住んでいるムファコセなんかはひどいものでした。ひどい時は一週間に2時間しか電気が来なかったですよ。ジンバブエでは電気より火をおこす為の薪やローソクのほうが値段が高いので、町の人々と嘆きあっていました。今年の大雨は田舎の畑には良いかもしれませんが、都市部では薪で火をおこして、家の外で食事を作っていたので、雨の日には夕食も食べれないで、そのまま就寝した日も多かったです。
:君も大変だね。
■ええ…まあ、仕事なので。しかし、今回は物価の上がり方が半端じゃなかったです。毎日、目に見えて上昇する感じでした。インフレの年率1,000%はビジネスにおいては全く話になりません。昔、日本の企業がハラレにいくつかオフィスを構えていましたが、今では一社もいなくなってしまいました。今のジンバブエの政策は全く未来が見えないですね。一体、大統領は何を考えているんでしょうか?
:今まで大統領は文部大臣や農政大臣を任命して国家資金を分配していたけど、長い間、彼らが任務を担っているから肝心な政治や政策のことなど忘れて、その資金を私有に使ってしまっていた。だから、一昨年前からこれらの悪徳大臣を一掃して、例の女性の副大統領を任命し、新政府の体制を整えたんだ。
■彼女に期待はできますか?
:僕にも判らない。でも、今のところは彼女はいい仕事をやっていると思う。例えば、各省庁の管理をこまめにやっているし、ガソリン問題も要所的にこなしていると思う。今、わるい人たちも刑務所の中に入ったから、彼女もやり易くなったのではないのかな。

■大統領についてはどう思いますか?
:内外から、我々の大統領は「26年間独裁している」と言われているけど、一つ僕が凄いと思うのは彼の「強靭な精神」だ。彼は1980年に大統領に就任して以来、この国を絶対に売り払ったりしないという信念を突き通している。絶対に二度と植民地化にはされないという主義を持っている。もちろん、他の点では間違った方向に向いていることも多くある。でも、まだ彼はこのどん詰まりの状況で、この国を死守しようと頑張っている。この政権を維持することは今の野党では無理だ。彼らは再び植民地化されようとしている。でも、我々はそれを拒否をした。そういうわけで、今はこういう状況が続いているけれど、僕たちは自分たちのやり方で自分たちの国や未来を作り上げていきたいんだ。今、僕たちは次の世代のための未来作りを始めている。そして、次の時代はすぐそこまでやってきている。なぜなら、自分たちで納得する選択をして、全てのものはここにあるし、あとは突き進んでいくだけだから。最後に大統領が国民に言った言葉を挙げておくよ。

「もし彼らが土地を欲しいなら、ここに来て貴方達と交渉すればいい。そして、彼らは貴方達から土地を買えばいい。なぜなら、彼らはここに自身の土地を持っていないからだ。これらの土地はまぎれもなく、貴方達のものなのだ」

■私はジンバブエを応援しています。頑張ってください!今日はどうもありがとうございました。
:ありがとう。君も頑張って!




© Loebbe Gahamadze

 

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トンデライ・フィリー氏は2009年1月に永眠されました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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