皆既日食10分ほど前から展望台に上って、観測を始めますが、やはり厚い雲が空を覆って、太陽を拝むことができません。そのうち、薄暗くなってきて、夕方と勘違いした蝉たちがすごい勢いで鳴き続けます。そして、ちょうど、月に太陽が隠れた時間帯に真っ暗になると、町の街灯に灯がともりました。残念ながら結局、最後まで太陽と月の合体を見ることはできませんでしたが、雰囲気を味わえたので良かったのではないかと思います。私の経験ですが、日食を最初に見た時に刺激が強すぎるため、訳の解らない感情と涙が溢れてきて、頭がおかしくなったことがあります。昔、南米のネイティヴの人達は皆既日食の日になると、家の中に隠れていたそうです。つまり、太陽を信仰する彼らにとっては「不吉」以外の何ものでもなかったらしいのです。
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